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ベトナムの昔話 ケイトウ編

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この赤い花は、ベトナム語では「ホワマオガー」と言われ、

和名は、「ケイトウ」。

このケイトウについての昔話を発見したので、

紹介したいと思います。

昔々、雌鶏には、雄鶏と同じように赤く綺麗なトサカが

ありました。

雌鶏は、この赤くて綺麗なトサカが自慢でした。

毎日この自慢のトサカをユラユラさせていました。

ある日のこと、どこからか泣き声が聞こえます。

すると、赤い草が「皆にはお花があるのに自分には

お花がないの」と泣いていました。

雌鶏は、どうしたら赤い草が泣きやむのか考えました。

「このトサカを赤い草にあげよう。」と考えました。

雌鶏が、自慢のトサカを赤い草にあげると赤い草は

大喜びしました。

それを見た皆は、大事にしていたトサカをあげた雌鶏を

立派だと思いました。

それから、雌鶏の頭には、小さくて可愛いトサカが

生えてきました。

中国にも、ケイトウについての昔話があったので、

ご紹介します。

山里に年取った母親と息子が二人で暮らしていました。

二人は、雄鶏を飼っていました。

ある日、息子は山道で泣いていた美しい娘を

家に連れ帰りましたが、

雄鶏は、激しく鳴いて娘を追い返そうとしました。

雄鶏があまりに娘を嫌うので、息子は翌朝早く、

娘を村へ送って行くことにしました。

ところが、その途中で、娘は鬼女の姿に変わり、

息子に襲い掛かりました。

娘の正体は、山奥に棲む大ムカデの精でした。

大ムカデの精は口から毒の炎を吐いて息子に迫りましたが、

あとをつけてきた雄鶏が大ムカデの精に立ち向かいました。

雄鶏は死闘の末に大ムカデの精を倒しましたが、

雄鶏自身も力尽きて死んでしまいました。

息子は自分を守って死んだ雄鶏に感謝し、

丁寧に埋めてあげました。

やがて、そこから芽が出て、

鶏のトサカによく似た花が、咲きだしました。

人々は、主人に忠実で勇敢だったあの雄鶏の生まれ変わりに

違いないと思い、

その花を鶏冠花と呼ぶようになりました。

鶏冠花」は、漢名です。

同じ花でも、国によって話が違うので、

勉強になりました♪